【2025年版】
訪問看護ステーションに合った
ネットFAXの選定ポイント

訪問看護の業務では、医療機関やケアマネ事業所など外部との連携が多く、いまもFAXを利用する場面が少なくありません。

一方で、紙のFAX機を使ったやり取りには、印刷・送信・保存といった作業負担が残ります。

こうした負担を減らす選択肢として、インターネット経由で送受信できる「ネットFAX(WebFAX)」を導入する事業所が増えてきました。

このページでは、訪問看護ステーションの実務に照らして、ネットFAXサービスを選ぶ際に見ておきたいポイントと、主要サービスの比較一覧をご紹介します。

ネットFAXを選ぶときのポイント

1. 無理のない費用設定かどうか

初期費用や月額料金、送信・受信枚数ごとの追加料金があるかなど、コスト感がわかりやすく、自事業所の運用に合っているかを確認しておきましょう。

2. 受信データの保存期間と形式

PDFで受信できるか、保存期間が十分かどうかも重要です。自動でクラウドに転送できる仕組みがあると、管理もしやすくなります。

3. 外部との連携のしやすさ

メール転送機能や、APIによる業務ツールとの連携対応があるかどうか。将来的な業務自動化を考えるなら、見ておきたいポイントです。

運用スタイルに応じて検討したい補足ポイント

4. 専用FAX番号や番号ポータビリティ対応

サービスによっては、03(東京)や06(大阪)など地域性のある市外局番が取得できます。 050番号に比べて信頼感があるため、地域密着型の訪問看護では安心材料になることも。 なお、既存番号の引き継ぎ(番号ポータビリティ)は、現状ほぼ対応していないのが実情です。

5. 対応ファイル形式(PDF、Word、Excelなど)

送信可能なファイル形式が自社の運用に合っているかも確認しましょう。多くはPDFが基本ですが、一部サービスではWordやExcelも対応しています。

ネットFAX 各社比較表

訪問介護ステーションにお勧め上位4件のネットFAXサービス比較表

項目

MOVFAX

faximo

jFax

valueFaxBiz

プラン

スタンダードプラン

送受信プラン

初期費用(税込)

1,100 円

1,188 円

1,100 円

1,100 円

月額料金(税込)

1,078 円
1,188 円

1,089 円

1,375 円

送信料金(税込)

1送信2枚ごとに11円 (以降1枚ごと 11円)

15.4 円 / 1枚

月50枚まで無料
(以降1枚ごと 11円)

毎月300枚まで無料
(以降1枚ごと 8.25円)

受信料金(税込)

1ヵ月1,000枚まで無料
(以降1枚ごと 11円)

1ヵ月1,000枚まで無料
(以降1枚ごと9.9 円)

1ヵ月100枚まで無料
(以降1枚ごと 11円)

毎月300枚まで無料
(以降1枚ごと 8.25円)

送受信履歴閲覧期間

受信日から4ヶ月間

60日

受信日から4ヶ月間

受信日から3ヶ月間

受信保存期間

受信日から4ヶ月間

11日間

受信日から4ヶ月間

受信日から3ヶ月間

送信可能FAX枚数

255枚まで

記載なし

5MBを目安に

50枚まで

9枚まで

受信枚数

99枚まで

50枚まで

記載なし

記載なし

送信ファイル形式

PDF、Excel、Word

PowerPoint

PDF、Excel、Word、

JPEG、TIFF、JPE、

JFIF、TEXT

PDF、Word、Excelなど50種類以上

PDF、Excel、Word、

JPEG、JPG、Png

JFIF、TEXT

メール転送

メールでFAX ※


(専用SDKあり)

API公開 ※


(上位プラン)


(上位プラン)


(上位プラン)

専用FAX番号の提供

03/06/045/050

03/06/052/050

03/050

03/06/

番号ポータビリティ
対応

なし

(FAX機の転送機能を

利用)

なし

(FAX機の転送機能を

利用)

なし

(FAX機の転送機能を

利用)

なし

(FAX機の転送機能を

利用)

その他

法人、個人事業主のみ契約可能(個人不可)

月間送信上限枚数は契約による

残念ながら、訪問看護ステーションには合わなかったネットFax

以下のサービスは、それぞれに特徴や強みがあるものの、今回の「訪問看護ステーションの実運用」を基準に検討した結果、選定の優先度が下がるという判断に至りました。

  • eFax・・・月額使用料1,980円と高め。
  • メッセージプラス・・・送信料金が他社より高め。
  • 秒速FAX Plus・・・受信機能がない。
  • 03FAX・・・初期費用が高め(5.500 円)で、送信料金も他社と比較して割高。

比較表をご覧いただいていかがでしたでしょうか?

各サービスは費用面・機能面・保存期間などにそれぞれ特徴があります。

API公開について

多くのサービスでは、有料の上位プランに移行することでAPIが利用可能になります。

APIとは、たとえば「FAXを送信してほしい」「受信したFAXデータを取得したい」といった命令を外部システムから直接実行できる仕組みのことです。

電子カルテや訪問看護記録ソフトと連携して、FAX操作を自動化・効率化することも可能になります。

IT連携を重視するステーションでは、ぜひ事前に確認しておきたいポイントです。

メールでFAX

「メールでFAX」とは、各サービスで決められた形式のメールを送信すると、その内容がFAXとして送信される仕組みです。

たとえばMOVFAXでは、この機能を簡単に活用するための「SDK(ソフトウェア開発キット)」が提供されています。
SDKがあることで、ソフトウェア開発が効率化され、プログラムも短時間で実装できるようになります。

APIを使わずにFAX連携が可能になる点でも、「メールでFAX」は非常に便利な手段です。

ただし以下のような制限がある場合もありますので、導入前の確認が重要です:

送信元メールアドレスの事前登録が必要

宛先の柔軟な指定ができない など

メールでFAXを利用すると、有料のAPI連携を使用せずに外部システムと柔軟に連携できるため、ぜひチェックしておきたいポイントです。

最後に

比較検討の結果、個人的にはMOVFAXに軍配が上がりました。

費用バランス、機能性、保存期間、そして連携の柔軟さなどをトータルで見たときに、
訪問看護ステーションの実運用に最もフィットしていると感じたからです。

もちろん、各サービスにはそれぞれの強みがありますので、
自事業所のニーズに合ったものを選んでいただければと思います。